UHFアンテナの価格と取り付け方法をプロが解説!VHFアンテナとの違いは?
「UHFアンテナとはそもそも何か」
「UHFアンテナの価格と取り付け方法が知りたい」
UHFアンテナとは、地上デジタル放送を視聴するためのアンテナです。
UHFアンテナには、八木式アンテナやデザインアンテナなどの種類があり、住んでいる地域の電波の強さによって設置するアンテナが変わります。
この記事で紹介するUHFアンテナの特徴・価格・選び方を知って、スムーズにアンテナ工事を進めましょう。
- UHFアンテナの価格
- UHFアンテナの選び方
- UHFアンテナの取り付け方法
記事の中では、プロの職人がオススメする国内メーカー製の家庭用UHFアンテナも紹介しますので、ぜひアンテナ選びの参考にしてみてくださいね。
それではまいります。
UHFアンテナとは
UHFアンテナは、地上デジタル放送を受信するためのアンテナです。
UHFとは「極超短波」を意味する“Ultra High Frequency”の略であり、300MHz~3GHzまでの周波数帯を指します。
テレビ放送では、UHFの電波のうち470MHzから770MHzまでが使用されています。
4種類のUHFアンテナの費用相場と電波の受信感度
地上デジタルアンテナには、八木式アンテナ・デザインアンテナ・ユニコーンアンテナ・卓上アンテナの4種類があります。
魚の骨の形の「八木式アンテナ」がもっとも電波の受信感度が高く、自分で設置できる「室内アンテナ」がもっとも受信感度が弱いです。
UHFアンテナの単品価格は2,000円前後から
家庭用UHFアンテナの本体価格は、八木式アンテナがもっとも安く、単品で2,000円前後から購入できます。
いっぽう、自分で設置できる室内アンテナは、ホームセンターやAmazonなどのネットショップで、1,000円から購入することができます。
プロの業者にUHFアンテナ工事を依頼する場合、ブースター工事込みで3万円〜6万円が相場となっています。
単体の価格 | 工事費用相場 | |
---|---|---|
八木式アンテナ | 2,000円〜10,000円 | 16,500円〜49,000円 |
デザインアンテナ | 5,000円〜12,000円 | 22,000円〜59,000円 |
ユニコーンアンテナ | 7,000円〜14,000円 | 33,000円〜68,000円 |
ブースター | 5,000円〜40,000円 | 16,500円〜33,000円 |
室内アンテナ | 1,000円〜7,000円 | - |
費用相場がわかったら、次はUHFアンテナの選び方を見ていきましょう。
UHFアンテナの選び方は住んでいる地域の電波の強さによって変わる
設置するUHFアンテナは、あなたが住んでいる住居の電波の強さによって変わります。
電波の強い地域を「強電界」、弱い地域を「弱電界」といいます。
強電界のめやすは、住居から地上デジタル放送の送信塔が見えるかどうかです。
それぞれの電界に対応するUHFアンテナは、次の表を参考に選びましょう。
素子数 | 動作利得 | |
---|---|---|
強電界(80dBμV/m〜) | 5〜14素子相当 | 8.4〜10.2dB相当 |
中電界(70〜80dBμV/m) | 20素子以上 | 7.8〜9.8dB相当 |
弱電界(60〜70dBμV/m) | 24素子以上+ブースター | 3.2〜4.3dB相当 |
あなたの家からもっとも近い送信塔の場所は、放送エリアのめやす|A-PABで確認できます。
国内3大アンテナメーカーのUHFアンテナがオススメ
UHFアンテナは、高品質な国内メーカーの製品がオススメです。
ここでは、国内3大アンテナメーカー(マスプロ電工、DXアンテナ、日本アンテナ)のUHFアンテナを紹介します。
どれもアンテナ工事専門会社が用いる、安心と信頼の製品です。
設置するアンテナを選んだら、アンテナの取り付けに移ります。
UHFアンテナの取り付け方法(八木式アンテナの場合)
ここからは、私たちみんなのアンテナ工事屋さんが行っているUHFアンテナ(ここでは、八木式アンテナ)の取り付け方法を解説します。
UHFアンテナは、次の5つの流れで取り付けます。
- 設置するUHFアンテナを組み立てる
- UHFアンテナの設置場所を決める
- アンテナを屋根上に設置する
- UHFアンテナの向きを調整する
- ブースター設置、ケーブル引き込み
順番に解説します。
1. 設置するUHFアンテナを組み立てる
住んでいる地域にあったUHFアンテナを用意し、プラスドライバー、もしくはレンチを使って組み立てます。
アンテナ本体とは別に、屋根馬も組み立てます。
2. UHFアンテナの設置場所を決める
UHFアンテナは、次の2つの条件を満たす場所に設置します。
- 建物などの障害物が少ない
- 視聴するチャンネルの受信レベルを確保できる
電波測定器をUHFアンテナにつなぎ、アンテナマストを伸ばして各チャンネルの受信レベルを調べましょう。(下の写真は一例です)
最適な受信レベルは、住んでいる地域とチャンネルによって異なります。
▶ 地上デジタル放送チャンネル表|マスプロ電工
各チャンネルの受信レベルの差が少なく、電波の送信塔との間に障害物の少ない場所にUHFアンテナを設置します。
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3. アンテナを屋根上に設置する
UHFアンテナを屋根上に運び、屋根馬とアンテナマストを組み立てます。
アンテナを四方から支えるステーワイヤーをつないで、倒れないよう設置します。
はしごをかけるときは、はしごがぐらついたり倒れないよう、専用のアタッチメントを使ったり、雨樋とはしごをワイヤーでくくって固定します。
4. UHFアンテナの向きを調整する
UHFアンテナを地上デジタル放送の送信塔に向けて設置します。
A-PABの「放送エリアのめやす」で送信塔の方角を調べ、アンテナを送信塔の方角へ向けましょう。
▶ 放送エリアのめやす|A-PAB
電波測定器だけでなく、テレビをつけて、各チャンネルの電波が取れていることを確認したら、しっかりとネジを締めてアンテナを固定します。
5. ブースター設置、ケーブル引き込み
もしもUHFアンテナの受信感度が不足している場合は、地上デジタル放送用の「ブースター(増幅器)」を設置します。
ブースターの設置・調整方法は、次の記事でくわしく解説しています。
▶ テレビアンテナのブースターの費用相場と選び方
電波が取れたら、住宅の入線口もしくはエアコンのダクトから、アンテナケーブルを室内に引き込みます。
最後に、お家の中のテレビを操作し、設定画面から地上デジタル放送の受信レベルを確認します。
問題なく電波がとれていれば、作業は終了です。
お疲れさまでした。
デザインアンテナの設置方法を知りたい方は、次の記事をお読みください。
▶ デザインアンテナを壁に設置する流れ
みんなのアンテナ工事屋さんのUHFアンテナ工事では、当社が設置したアンテナで、末永くテレビをお楽しみいただくことを目標としています。
私たちのアンテナ工事のこだわりをご紹介しますね。
まず、当社が取り扱うアンテナは、安心・安全の国内メーカー製(マスプロ電工、DXアンテナ、日本アンテナ)です。
さらに当社では、アンテナの固定方法を強化し、全国に点在する拠点でルール化しております。
UHFアンテナの設置では、アンテナが雨風で倒れないよう、支線(ワイヤー)を四方から張り、さらに支線1本1本の中心から補助線を張ることで、ガッチリと固定しています。
万が一当社の不備で倒れてしまった場合に備えて、最長8年の長期保証もおつけします。
お客さまが長い間テレビを楽しめるよう、しっかりとアンテナを固定させていただきますので、お気軽にご相談くださいね!
UHFアンテナの設置工事はプロのアンテナ工事専門会社に依頼しよう
ここまでの内容をお読みになって、「UHFアンテナを自分で設置したい」という方もいらっしゃるかと思います。
結論から言うと、UHFアンテナの自力設置はオススメしません。
プロのアンテナ工事会社に依頼しましょう。
理由は3つあります。
- 電波測定の知識と技術が必要
- 高所作業には転落・墜落事故の危険がともなう
- 複数のテレビで地デジ放送を見るには、アンテナケーブルの引き込みが必要
UHFアンテナ工事でとくに難しいのは、電波の測定、高所作業、引き込み作業の3点です。
とくに一般の方の高所作業はたいへん危険です。
建設現場では、毎年の転落・墜落による死傷事故があとを絶ちません。
参考:労働災害発生状況|厚生労働省
プロのアンテナ工事専門会社は、年間数千件ものアンテナ工事を担当しています。
安全管理、そして長持ちするアンテナ設置の両方で、プロの技術に頼ることをオススメします。
アンテナ工事会社の選び方は、次の記事でくわしく解説しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
▶ テレビアンテナ工事はどこがおすすめ?業者選びで失敗しないために
自分で設置するなら「室内アンテナ」がオススメ
自力でアンテナを設置する場合、高所作業やケーブル引き込みの必要がない「室内アンテナ」がオススメです。
付属のケーブルをテレビと直接つなぐだけでテレビを視聴できます。
注意してほしいのですが、室内アンテナは強電界向けのUHFアンテナです。
めやすとしては、家の窓から地上デジタル放送の送信塔が見える範囲が強電界となります。
設置場所も、電波の送信塔が見える大きな窓の地殻に設置すると、電波をとりやすくなりますよ。
ここからは、UHFアンテナとVHFアンテナの違いを解説します。
アナログ放送時代にはVHFアンテナが使われていた
アナログ放送時代には、VHFアンテナという八木式アンテナが使われていました。
「VHF」とは、”Very High Frequency”の略で、「超短波」を指します。
超短波は直進性が高く、電離層(電波を遮る自然現象)に影響されにくいという性質を持っています。
ちなみにVHFアンテナでは、現在の地上デジタル放送を受信することができません。
2011年7月24日の地上アナログ放送の停波にともない、テレビアンテナとしてのVHFアンテナは役目を終えました。
VHFアンテナよりもUHFアンテナのほうが高い周波数帯の電波を受信できるため、高周波数帯である地上デジタル放送の受信に適しているのです。
UHFアンテナ | VHFアンテナ | |
---|---|---|
対応する放送 | 地上デジタル放送 | アナログ放送 |
対応周波数 | 300MHz~3GHz | 30~300MHzの周波数 |
VHFアンテナの現在の役割
現在のVHF電波は、FMラジオの受信に使用されています。
FM放送に対応する周波数帯は76MHzから90MHzまでであり、無線を使うお家では未だに現役として活躍しています。
ただしほとんどのお家では、UHFアンテナのみ使っていて、VHFアンテナは全く使っていない状態です。
不要なVHFアンテナを放置すると、屋根にサビが広がったり倒れて事故になる可能性がありますので、速やかに処分しましょう。
アンテナの処分方法は、次の記事でくわしく紹介しています。
▶ 不要なアンテナは撤去しよう!プロが教える費用相場と撤去方法
UHFアンテナの製品情報の見方
UHFアンテナの製品情報に書かれた規格について解説します。
アンテナ選びの参考にしてみてくださいね。
基準 | |
---|---|
利得(感度) | アンテナの電波を捉える能力。エレメント数の増加に比例して、利得の高い高性能アンテナになる。 |
指向性 | アンテナの方向によって、受信感度が変化する性質のこと。前後比と半値角度で表す。 |
前後比(F/B) | アンテナの前方と後方からの感度の比。数値が大きいほど、後方からの反射比の影響を受けにくくなる。 |
半値角度 | アンテナの指向性の鋭さを示す。角度が狭いほど、斜め前方からの反射波による妨害を軽減し、動作利得が高くなる。 |
VSWR(電圧定在波比) | 機器のインピーダンス度合を表す。数値が1に近いほど、信号を効率よく伝送できる。 |
垂直偏波か水平偏波か | 電波が大地に対して垂直か水平かによって、アンテナの素子の形が異なる。 |
最後に
この記事では、UHFアンテナの取り付け方法を解説しました。
とくに重要なポイントを、3行で振り返ってみましょう。
- UHFアンテナには、八木式・デザイン・ユニコーン・室内アンテナの4種類がある
- UHFアンテナは、住んでいる地域の電波の強さに対応したアンテナを選ぶ
- UHFアンテナの取り付け作業は、知識と経験が豊富なプロのアンテナ工事専門会社に依頼しよう
UHFアンテナは、新築や引っ越し先でテレビを視聴するのに欠かせません。
アンテナ選びに失敗すると、地上デジタル放送が映らなかったり、テレビの映像にノイズが入る可能性があります。
そのような事態にならないためにも、プロのアンテナ工事会社に頼んで、住んでいる地域の電波の強さに合ったUHFアンテナを設置してもらってくださいね。
みんなのアンテナ工事屋さんは、対応エリアを拡大中です!
安定性の高い部材を用いて、長持ちするようにしっかりとUHFアンテナを工事させていただきますので、お気軽にご相談くださいね。
ご相談・お見積もりは無料です。
それでは、あなたがUHFアンテナの工事を終え、楽しくテレビを視聴できるよう祈っています。
みんなのアンテナ工事屋さんの田村がお送りしました。