分配器の接続方法がわかる!分波器、分岐器との違いも解説【イラストつき】 (静岡県 K.W)

家にテレビをもう1台増やして、地デジとBS番組を見たいと考えています。
しかし、隣の部屋ですでにテレビを使っているため、接続できる場所がありません。
アンテナケーブルを2つにわけるには、どうしたらいいですか?
「分配器」を使うことまではわかるのですが、似た商品がたくさん出てきて迷ってしまいます。
(静岡県 K.W)
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「分配器」「分波器」「分岐器」の違いは?用途別に解説します!
こんにちは!
みんなのアンテナ工事屋さんの中沢です。
アンテナケーブルの接続って、慣れていないと本当に難しいですよね。
とくに「分配器」や「分波器」を使って複数のテレビを繋ぐとなると、接続難易度がグンと上がります。
「アンテナ線を2つにわけるには、分波器と分配器のどちらを使えばいいんの?」
「分配器っていろいろな形があるけど、どう選べばいいんだろう…」
「テレビと分配器の接続方法がわからない…」
わからないことだらけで大変……と思うかもしれませんが、大丈夫です!
分配器の接続方法は一見難しくみえますが、しっかりと仕組みを理解すれば誰にでもできますよ。
この記事では、とくに間違えやすい「分配器」「分波器」「分岐器」の違いを解説したのち、分配器の接続方法をイラストつきでお見せします。
家で複数のテレビを使いたい方は、ぜひこの記事の流れに沿って分配器を接続してみてくださいね!
それではまいりましょう!
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そもそも「分配器」って何?分波器との違いとは
アンテナの周辺機器には、電波を2つにわける「分配器」と、電波の種類をわける「分波器」があります。
この2つを間違えてしまう方が多いので、注意しましょう!
このトピックでは、テレビの電波をわける3つの装置「分配器」「分波器」「分岐器」の用途をそれぞれくわしく解説します。
複数のテレビを見るには「分配器」を使う
まず、「分配器」について。
分配器とは、地デジやCATV、BS/CS放送といった電波を均等に分配する装置のことです。
「複数のテレビを使いたい」
「テレビだけでなく、BDレコーダーにも接続したい」
という時に使用します。
出力する数によって、「2分配器」「3分配器」「4分配器」などの種類があります。
ただし電波をわけるほど1台あたりのテレビに届く電波が少なくなってしまうので注意してください。
BS/CS番組を見るには「分波器」を使う
「分波器」は、分配器と名前が似ていますが、用途は全く違います。
分波器は、地デジとBS/CS放送の2つの電波を1つのアンテナ線で受信した時に、それぞれの回線にわけるはたらきをするものです。
「地デジだけでなく、BS/CS番組も見たい!」という方は、分波器を使って電波を2つのケーブルにわけると両方の電波が安定するのでオススメです!
分波器でわけたケーブルを、テレビの裏にある「地上デジタル入力端子」と「BS/CS入力端子」それぞれに接続すれば、各放送を快適に視聴できます。
ビルなどの大型の建物では「分岐器」を使う
上の2つ以外にも、「分岐器」という装置もあります。
こちらは、1つの電波を複数にわけたいときに使います。
分配器が5:5の比率で電波をわけるのに対し、分岐器は9:1の比率で出力できます。
この「分岐器」なのですが、一般住宅ではほぼ使用されません。
というのも、ビルやマンションなどの大型の建物では、どうしても長い距離をケーブルでつなぐ必要が出てきますよね。
そのような配線では、わずかな電波量の違いで電波のトラブルになってしまうため、メインケーブルのレベルを落とさず供給量を調整できる分岐器を使うのがセオリーとなっています。
分配器の選び方は?値段と種類を解説!
3つの機器の違いがわかったところで、さっそく自分の部屋に合った分配器を選んでいきましょう。
ここで注意してほしいのが、分配器選びに失敗して、使えないものを買ってしまうことです。
そこで、分配器選びでとくに迷いやすいポイントを紹介します。
下の画像は、分配器を購入する時にチェックしてほしいところです。
- 値段
- 通電型の種類
- ケーブルの有無
- 出力端子の本数
- 周波数
それぞれ順番に見ていきましょう。
ポイント1:分配器の値段はどれぐらい?
分配器の値段は、だいたい100円〜2,000円ほど。
値段にばらつきがあるのは、製品の耐久性や性能が違うからですね。
分配器は、家電量販店やネットショップのほか、100円均一でも買うことができます。
「できるだけ安いものを購入したい!」という思うかもしれませんが、購入の前に耐久性についてよく考えてみてください。
短期間の利用なら安価なものでも大丈夫ですが、「5年以上部屋で使いたい」という場合は、安定性のある国内メーカーのものを購入するようにしましょう。
ポイント2:「全端子通電型」と「1端子通電型」って?
分配器には、「全端子通電型」と「1端子通電型」の2種類があります。
「通電」とは、電気を送ること。
BSアンテナはテレビから電気を送ることで放送を受信する仕組みになっているので、通電効果のある分配器を使用しなければ、BS放送を受信できません。
「全端子通電型」は、すべての出力端子で通電しますが、「1端子通電型」は1つの端子のみ通電します。
このため、1端子通電型のほうが値段が安いという特徴があります。
「地デジしか見ない」「安く済ませたい」という方は1端子通電型で大丈夫ですが、もしも迷ったら、応用の効く「全端子通電型」を購入するようにしましょう。
ポイント3:「ケーブル一体型」と「単体型」どちらを選ぶ?
単体型がメジャーですが、アンテナケーブルと分配器が一体になった商品もあります。
分配器でテレビのみをつなぐ方は、配線が楽なケーブル一体型を購入しても良いと思います。
「テレビだけでなく、無線LANやBDレコーダーを接続したい!」という方は、付属のケーブルでは長さが足りなくなることがあります。
応用の効く単体型を購入するようにしてください。
ポイント4:出力端子は何本が良いの?
分波器は、出力端子の本数によって「2分配器」「3分配器」「4分配器」などの種類があります。
ここで注意してほしいのですが、複数のテレビを見たい場合は、いくつもの2分配器を何度も枝わかれさせるのではなく、最初から3分配器や4分配器を購入するようにしましょう。
なぜかというと電波をわければわけるほど、1台あたりのテレビに届く電波が少なくなるからです。
電波が足りないとテレビの映りが悪くなり、映像にノイズが入ってしまいます。
分配器1台あたり、だいたい「3〜4dB」ほど電波の量が減ると言われています。
分配器同士をタコ足状につなぐことを「カスケード接続」というのですが、これをすればするほどテレビに届く電波が弱くなり、ノイズやエラーに繋がります。
接続する分配器の数は少ないに越したことはありません。
「将来テレビを増やすかもしれないし、4分配器を買っておこうかな」
という方もいると思います。
そんな時に気をつけてほしいのが、空いている出力端子の処理です。
使わない出力端子をそのままにしておくと、そこから電波が漏れたり、外部の電波を拾ったりして映像にみだれが出ることがあります。
そのような障害を防止するのが、「ダミー抵抗器」です。
ダミー抵抗器があれば、電波が安定し、映りがよくなります。
とくにWi-fiやスマホの通信と競合しやすい4K8K放送対応のテレビでは必需品となりますので、必ず取り付けるようにしましょう。
ポイント5:分配器の周波数、どれぐらいがベスト?
地デジ、BS/CS、4K放送……見たい放送の種類によって、分配器の対応周波数が変わります。
分配器を始めとした従来のアンテナ機器は、2071MHz対応のものがほとんどでした。
しかし、2018年12月に4K8K放送が始まったことで、より高い周波数を受信できる装置が必要になりました。
地デジ放送やBS/CS放送が見たい方は、2071MHzまで対応しているの従来の分配器を。
4K8K放送が見たい方は、3224MHz対応の分配器を選ぶようにしましょう。
以上、分配器の選び方でした。
分配器の接続方法は?ケース別に紹介します!
自分の家に合う分配器を選んだところで、具体的な接続方法を見ていきましょう。
以下のような手順で接続してください。
- アンテナ端子からテレビまでの長さを測る
- 必要な長さのアンテナケーブルと、分配器を用意する
- 【アンテナ→分配器→テレビ】の順になるように接続する
- 複数のテレビがしっかりと映るか確認する
ここからは、オーソドックスな分配例をイラストつきでご紹介します。
例1:アンテナ端子が1つで、地デジのみを視聴したい
壁にアンテナ端子が1つしかない場合は、そこから地デジ用の電波を拾います。
下の図のように分配器を接続すればOKです。
例2:アンテナ端子が1つで、地デジとBS/CS放送を視聴したい
地デジだけでなくBS/CS放送も視聴したい場合は、まず壁のアンテナ端子がどの放送に対応しているか確認してみましょう。
アンテナ端子がどの電波に対応しているかによって、接続方法が変わります。
- アンテナ端子が地デジとBS/CS放送に対応している
- アンテナ端子が地デジのみ対応している
2つそれぞれの接続方法を見ていきましょう。
アンテナ端子が地デジとBS/CS放送の両方に対応している場合
アンテナ端子が地デジとBS/CS放送の両方に対応している場合は、分配器と分波器で電波をわけてつなげばOKです。
図にすると以下のような感じです。
アンテナ端子が地デジのみ対応している場合
アンテナ端子が地デジのみ対応している場合は、BS/CS用の回線を別で用意する必要があります。
BS/CS用のパラボラアンテナ を用意し、そこからケーブルを引きましょう。
例3:アンテナ端子が2つある場合
続いてアンテナ端子が2つある場合について。
こちらもまず、端子が地デジ用とBS/CS用にわかれていないか確認してみましょう。
もし何も書かれていなければ、アンテナ端子が1つのときと同じように接続すればOKです。
「BS/CS放送は契約していない」という方も、上記の方法で大丈夫です。
アンテナ端子が地デジ放送とBS/CS放送にわかれていて、「地デジだけでなくBS/CS放送も見たい!」という場合は、それぞれのケーブルに分配器を設置する必要があります。
そして、ここからはプロが分配器を接続する時のルールについてお伝えします。
プロはどう接続する?分配器は壁の中にしまうのがベスト!
たとえば新築の工事では、アンテナ周辺機器を露出させず、壁の中にしまうのがセオリーです。
理由としては、周辺機器を外に出していると劣化が早くなったり、電波が不安定になりやすいので、安定性を上げるために安全な場所に隠すというのが1つ。
もう1つは、工事やリフォームの際に配線が1箇所にまとめられていた方が作業しやすいという理由があります。
自力でケーブルを接続するときも、可能なら分配器を壁の中にしまうのがベストです。
分配器はどこにある?家の「点検口」を調べてみよう
壁の中の分配器や分波器は、多くの場合点検口の中にまとめてしまってあることが多いです。
浴室の天井や屋根裏の天井、クローゼットの天井に点検口がないか、探してみてください。
点検口の中に分配器や分波器が設置されている場合は、すでにあるものを活用するようにしましょう。
そうは言っても、中には
「天井からテレビまでケーブルを繋ぐのはかなり大変なんじゃないの?」
「部屋の中の配線だけでも難しいのに、家全体の配線をいじるなんて無理!」
と思う方もいると思います。
そんな時は、私たちプロの業者にご相談ください!
分配器や分波器の設置も含めて、アンテナからテレビまでの配線作業を一括で請け負います。
接続作業を終えたあとのテレビ映りや、電波が不足していないかどうかもしっかりと確認いたしますので、まずはお気軽にご相談くださいね。
この記事のまとめ……分配器の選び方・接続方法をおさらい!
今回は、分配器の接続方法についてご紹介させて頂きました。
この記事を見ながら分配器を接続すれば、きっとスムーズにテレビを視聴できるはずです。
とくに注意してほしいポイントは以下の3つです。
- 分配器と分波器を間違えないようにする
- 分配器を選ぶ時は、書かれている情報をよく確認する
- 分配器を設置するときは、なるべく壁の中に収納する
「分配器の接続って、ちょっと大変そうだな……」と思ったら、私たちみんなのアンテナ工事屋さんにご連絡ください!
あなたが好きな場所で自由にテレビを視聴できることを祈っています。